太りすぎは糖尿病リスクが高まるーーーと、一般論では知っていても、そのメカニズムについて詳しく知られていませんでした。この度、慶應義塾大学が、マウスを使った実験で 「大腸の炎症が糖尿病につながる」 という事実を解明しました。これにより、新たな治療薬開発を目指すことになります。
脂肪分過多により、腸管内で発生するたんぱく質が炎症を起こす
研究チームが、マウスに脂肪分を60%含むエサを食べさせたところ、免疫細胞のマクロファージを集めるたんぱく質が多く作られることが判明。大腸にマクロ ファージが集まり過ぎると炎症が起こり、炎症から生じた物質が血中を循環し、インスリンを効きにくくすることが分かったという。
 原因のたんぱく質が腸管に集まらないよう遺伝子を改変したマウスを作製したところ、大腸へのマクロファージの集まりが減少し、腸管の炎症を抑えることに成功。インスリンの効き目を妨げず、血糖値の上昇を30%ほど軽減できたという。(出典:ビッグローブニュース


この実験により、「インスリン抵抗性」の詳しい原理が解明されたことになります。
(糖尿病の原因の1つに、脂肪分が高い食べ物を過剰に摂取することで、血糖値の上昇を抑える「インスリン」の効き目が悪くなるという「インスリン抵抗性」という)
要するに、脂肪分を多く摂取すると肥満になり、その際に免疫細胞を多く集めるたんぱく質が増産されてしまい、このたんぱく質を抑える化合物を発見することで、新薬開発に至るということ。

閉経前後を問わず、肥満は発症リスクとなる
そして、「肥満」は他の病気のリスクも高めることが知られています。
国立研究開発法人 国立がん研究センターによると、昨今日本でも増加している乳がんは、体形の変化と共に推移しているとされています。まず、女性ホルモンの変革タイミングである、閉経前と閉経後において、乳がん発症はどう関連するのかについて調査がされました。ちなみに、閉経によって女性ホルモン分泌が減少していくにつれ、エストロゲンの分泌が低下、すると血中の悪玉コレステロールを肝臓に取り込む受容体を増やす働きがあります。閉経後に悪玉コレステロールが増えるのはこのためです。閉経後は太りやすくなる体質に変化、さらに加齢とともに代謝が落ちることでさらに太りやすくなっています。

話を戻し、研究の結果、閉経前と後とで比較したところ、BMI値が上昇するにつれ、乳がんリスクが高くなることがわかりました。
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閉経前乳がんのリスクはBMI最大群で2.25倍でした。また閉経後乳がんのリスクについては、BMIが小さい群ほど低く、大きい群ほど高くなる傾向がみ られました。いずれも統計学的に有意なものです。その他の要因が結果に影響しないように調整したり、追跡開始から2年目までに発生した乳がんを除いたりし て解析してみましたが、結果が大きく変わることはありませんでした。(画像ともに出典:国立研究開発法人 国立がん研究センターwebサイト

健康を積極的に守っていくためには、さらに今ある疾患を悪化させないためにも、適度な運動とバランスのよい食事による適切なBMI値をキープしていくことが重要です。



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