AI研究をアグレッシブに進めるトヨタ自動車。その知見は多岐に渡って活かされるか?
現在、さまざまな産業でAIの導入が進んでおり、IT企業だけでなく国防、経済予測、犯罪予防など多岐に渡っています。そんななか、特に目立って力を入れているのが自動車業界です。年明け早々、トヨタはAI研究のための新会社TRI(トヨタ・リサーチ・インスティテュート)を設立し、カリフォルニア州とマサチューセッツ州に拠点を置きました。いずれもスタンフォード大学、MIT(マサチューセッツ工科大学)のそば。自動車におけるAIの活躍は、車内の娯楽システム、ナビゲーションシステム、安全システムといったソフトウエアにおいて欠くことができないものです。これらを同社プラット社長は以下のように語っています。(photo by
Robert S. Donovan

「TRIの使命のひとつは新しい市場を発見することです。世界的に高齢化率がどんどん上昇するなかで、どうしたらすべての人に移動の可能性を提供できるの かを考えています。年齢や健康状態、障がいの有無などに関係なく、モビリティを提供するにはどうしたらよいのでしょうか。これは戸外だけに限った話ではあ りません。(出典:東洋経済オンライン

経済産業省、糖尿病予防にAIを導入。ここでもトヨタが協力
こうなると自動車はもはや移動手段ではなく、ロボット、しかも 『走るロボット』 という見方が適切となっていくのかもしれません。そんな折、経済産業省は糖尿病など生活習慣病の予防に向け、人工知能(AI)が運動や食事の改善などを助言する仕組みを2017年2月に始めることを発表しました。なぜ国が?それは、医療費削減という重い課題があるからです。

16年9月から約800人の糖尿病軽症者が歩数や体重などを連日計測する。生活習慣と症状の関係を示すきめ細かいデータを蓄積し、AIの性能向上に生か す。個人ごとに最適な生活習慣の見直しを助言するなど、世界最高性能のAIに育て、国民生活の質向上と医療費削減につなげる。(出典:ヤフーニュース:日刊工業新聞電子版

このデータ取得に貢献することになるのは、トヨタ自動車やみずほフィナンシャルグループなどが参加した八つの企業団体です。企業の社員のうち、糖尿病の診断指標「HbA1c」6・5以上の軽症者が当面の対象となっています。対象者はほぼ毎日、歩数、体重、食事画像などを計測し、専門医が指導をしていく仕組みです。こうして取集したデータは2017年2月に共通データベースへと集約し、それらをAIで学習させていきます。このステップを経て、今度はその対象を中小企業にまで拡大する計画です。また、
HbA1c5・6以上6・5未満の糖尿病予備群の人や、高脂血症や高血圧など、生活習慣と健康状態の相関がやや複雑な分野にAIを応用する方針だそうです。

まだまだ日本におけるAI研究は黎明期でもあり、この段階で質の高いデータで学習させていくことで将来的に精度を高めていくことが可能とされています。


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